ルエダにある１９世紀から４世代にわたって続く歴史のあるワイナリーです。アイスワインも作っています。
現在は使われていない古い醸造所。夏の間の別荘だそうです。
試飲ルームとしても使われています。全部で９種類のワインを作っています。
１９世紀から２０世紀前半まで使われていた搾汁器。この下はすべて地下醸造室になっています。
ブドウを運んでいた麻袋。
ボトル詰め機械。
脱穀機など、ワイン作り以外の農作業の道具もありました。
奥にある古い瓶のところにある網が、地下醸造室につながっています。
ベルデホとビウラ５０％ずつの白ワイン。樹齢は、ベルデホが１０年から１５年。ビウラが３０年から40年。
透明な薄めの黄色で、フルーツの香りがぱっと広がります。すっきりした辛口ですが、ビウラが入っているので、苦みはほとんど感じません。フルーティで飲みやすいです。数日前にボトル詰めされたばかりということで、まだ酸味がとがっているかなと感じました。
同じシリーズのベルデホ１００％。
やや緑がかった薄めの透明な黄色。りんごやパイナップル、ライムのような高い香りがします。ビウラとの混合の物に比べて、ややボディが強いです。こちらもボトル詰めしたばかりで、ベルデホの最後に舌をきゅっと締め付けるような苦みが生き生きとしていました。
熟成なしの白ワインは２～３年が飲み頃なので、市場では新しいものが好まれがちですが、瓶詰めして１年くらいがまろやかにコクがでて一番美味しい、とオーナーのハビエル氏は言っていました。
このワイナリーの看板銘柄。ベルデホ１００％白ワインのビジャ・ナルシア。樹齢４０年以上の古い樹からとれたブドウを使っています。
透明な黄色。フルーツや草の香りを持ちます。スムーズな飲み口ですが、コクがあり、しっかりしたボディを感じました。
ソーヴィニヨン100％の白ワインです。樹齢２５年のものを使っています。
透明な黄色。洋なしやメロンなどの甘いフルーツの香りがしました。飲み口も爽やかで、とても飲みやすいです。コクや味の複雑な広がりもあるので、あきません。個人的には好きなブドウなのですが、フランスのものが有名なので、やはりルエダといえばベルデホが好まれるそうです。
ベルデホ１００％でフレンチオーク新樽で６ヶ月樽熟成させた白ワインです。やや緑がかった透明な黄色。ぱっと広がる香りは若いワインに比べると少ないですが、グラスからゆっくり立ち上ってくるアロマは、トーストや、ミネラル、ハーブなどさまざまなニュアンスを含んでいました。辛口です。しっかりしたボディを持っていて、飲み応えがありました。
ベルデホ１００％の白ワイン。樹齢１４０年以上のとても古い樹からとれたブドウだけを使っています。スペイン語でソブレ・リアスと呼ばれる、酵母をときどき混ぜながら熟成させる方法で作られています。
透明な黄色。フルーツの香りをベースに、刈ったばかりの草やミネラルの香りがしました。味わいは辛口で、とてもしっかりしたボディがあります。ベルデホ種固有のフルーティなコクがよく出ていて、楽しめました。
ベルデホ１００％の甘口ワインです。発酵を途中でやめ、糖分を残しています。透明な黄色。甘口ですが、まったりしすぎていないので飲みやすかったです。少しジュースっぽい感じがしないでもありませんでしたが、アルコール度数はしっかり１１℃あります。
テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローから作られる赤ワインです。収穫の良かった年だけに作られます。
深い紫色。黒果実とトースト、コーヒー、カカオなどの香りがしました。フルボディですが、重くなく、酸味がほどよい感じでした。
ブドウが完熟した後も収穫せず、そのままにしておき、初冬の初めの寒波が襲来した直後、ブドウが凍ったときに収穫し、搾汁して作ります。糖分が全てアルコールに発酵してしまう前に低温下において、発酵を止め、甘口に仕上げています。
濃い麦わら色で、ドライフルーツやはちみつのような香りがします。味わいはまろやかで甘いのですが、天日にさらして作った甘口シェリーとは違い、押しつけるようなところはなく、スムーズな飲み心地です。
社長のハビエル・サンス氏。この後、市内で約束があるので時間があまりない、と言いながらも、ブドウ畑やワイン作りについて語り出すと止まりません。愛情と自信を感じます。
フィロセキアの被害を逃れた、スペイン原種のベルデホ。樹齢１４０年という、とても古い樹です。針金などを使わない、バソと呼ばれる、伝統的な栽培方法。この方法だと、機械での作業がまったくできないので、自然とすべての作業が人手によります。
-ワイナリー訪問, D.O.ルエダ
