トロ地方のオーガニックワインを試飲してきました。
左からコラル・デ・カンパナス、キンタ・キエトゥ、ラ・ムラという3種類です。同じく左から、早飲みタイプ、熟成可能タイプ、長期熟成可能タイプとなります。
コラル・デ・カンパナスは、若木のテンプラーリョ100%の赤ワインです。50%は9ヶ月アメリカンオーク樽熟成、残りの50%はステンレスタンクの中でミクロ・オキシネーションと呼ばれるほんの少し酸素にさらす方法で質を高められた果汁を混ぜ合わせて作ります。ピンク色の縁取りがある深い紫色。華やかなフルーティな香りがぱっと広がり、アタックは甘めですが、さすがアルコール度数15%。かなり重く、飲み応えがあります。
イベリコ豚の生ハム。やや厚めに切ってあり、甘めながらもどっしりとしたワインにぴったりです。
二本めのキンタ・キエトゥ。20年から80年のテンプラニーリョ100%。15日から18日かけてマセラシオンを行い、フレンチオーク(30%が新樽)で20ヶ月熟成させ、1年間ステンレスタンクで貯蔵し、2年間ボトル内で熟成させます。やや赤みのある深い紫色。バニラをベースに花や果実が混じり合った香り。味わいは3本の中では一番オーソドックスなトロ地方の芯のとても強いフルボディです。余韻もとても長いです。
醸造家のフランソワ氏。ボルドー出身です。どことも違う個性的なワインを作りたいそうで、コラル・デ・カンパナスは芯の強さが3年ほどするとよくあるワインの味わいに変化してしまうので、この数年内に飲んでもらえればと話していました。
ひよこ豆のモツ煮。味付けはパプリカと塩、モツからの出汁くらいだと思います。スペイン中央部では冬によく食べられます。シンプルな豆の柔らかな味わいがワインの良さを引き立てるので、強いトロの赤ワインがすいすいと入ります。
3本めは、ラ・ムラ。80年から100年の古木のテンプラニージョ100%。1ヘクタールあたり1000Kg以下という極端に少ない収穫量です。18日から20日かけてマセラシオンを行い、フレンチオークの新樽で24ヶ月熟成させ、1年間ボトル内で熟成させます。深い紫色。香りはミネラル香とケミカル香がとても特徴的でした。酸味の効いた飲み口ですが、飲みこんだ後に広がる味わいが、まだ口の中にワインが残っているような錯覚を覚えるほどでした。「他のどこにもない新しいタイプのワイン」とフランソワ氏が言っていたとおりですが、好みは分かれるかもしれません。
スペインのクリスマス菓子・トゥロン3種類。アーモンド粉を柔らかく固めたもの、ドライフルーツが入っているもの、スライスアーモンドをキャラメルで固めたものです。とても甘くて美味しいのですが、ワインよりも、お抹茶かコーヒーと一緒に食べる方が個人的には好きかもしれません。
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