セレステ 2011 ロブレ(熟成基準無し)
2013/01/29
ペネデスにある、ミゲル・トーレス社が、リベラ・デル・ドゥエロの地区で生産しているワインとなります。ミゲル・トーレス社と言えば、日本では、ビニャ・エスメラルダとか、ビンにミニチュアの闘牛が付いている、サングレ・デ・トロなどが有名だと思います。
ずっと、カタルーニャ地方でワインを生産してきたミゲル・トーレス社ですが、最近は、リオハや、リベラ・デル・ドゥエロ、そしてルエダと言ったように他の地区でも生産しています。
今回試飲したワインは、リベラ・デル・ドゥエロの赤ワインとなります。ワイナリーは、ペニャフィエル村から南に10キロほど行ったフォンペドロサ村にあります。
使っているブドウはテンプラニーリョ種が100%、オークの樽で3ヶ月熟成しています。樽の種類は明記されていません。蓋のコルクは、圧縮コルクを使用 しています。コルクは汎用ではなく、デザインがセレステ専用となっています。ビン内で長期間熟成させるワインではありませんので、コストを考えて圧縮コル クを使っているのでしょう。
このワインには、セレステと言う名前が付いています。セレステとはスペイン語では「天体」とか「天球」と言った意味となります。ラベルには、ブドウの収 穫の時期に、ミゲル・トーレス社のワイン畑から見える星が星座として描かれています。ブドウ畑から見える美しい星空に感激したトーレス氏が自らワインにセ レステと言う名前を付けたそうです。知り合いのワイナリーの人が言っていました。
私もミゲル・トーレス社の近くにあるブドウ畑の夜間の収穫に行ったことがあります。空気が澄み、近くに人工的な明かりの無いブドウ畑から見る星空は、確かに本当に綺麗でした。
ワインの試飲報告に入ります。
ほんの少し、本当にほんの少しだけレンガ色が入った、リベラでは割と薄めの紫色です。トロの早飲みワインなど、本当に紫色が濃い物がありますが、そこまで濃い色ではありません。
全体的に、ベリー系の香りなのですが、その中に、ミルクの香りが感じられます。このワインも割と軽めの出来に感じました。とは言っても、リベラのワインの中では軽いと言うだけで、一般的にはフルボディのワインに分類されると思います。
2011年物の若いワインですが、3ヶ月樽熟成をしていると言うことで、ステンレスタンクでアルコール発酵させただけのワインとは異なったキャラクター を持っています。驚くほど、まろやかにはなっていませんが、タンニン分が有る程度こなれていて、酸味が少ない作りで、飲みやすくなっています。全体にまと まっていて、価格の割りに良くできたワインだと思います。3ヶ月でも、樽熟成させるとこの様に変わるという、お手本になるようなワインです。
このワイン、日本には輸入されていないようです。日本にはこの上のクラスのセレステ クリアンサが輸入されています。そちらは飲んだことがないのですが、多分美味しいと思います。