ジェローム・ブグノー
標高900メートルを超える斜面にある小さな区画なので、機械化のために植え替えられることなく、運良く残った100年樹。寒冷地の貧しい土壌のブドウは、意外なほど小さいです。
(フランス人なので)この地に先祖代々の畑があるわけではないから、好みの畑を自由に選ぶことができると話すジェローム・ブグノー。ドゥエロ川沿い135キロにわたって点々と散らばる畑はどこも個性的なテロワール。
始めはテンプラニーリョとガルナチャだけを使っていましたが、ある年から混植のアルビージョをブレンドすることでぐっと自分の好みに近づいたそうです。そしてまた次の年、酸化しやすい白ブドウを黒ブドウと一緒に醸造することで、アルビージョの個性をさらに生かすことができると気がつき、テンプラニーリョはやや早積みしてもワインに青臭さは残らないことを確信。
醸造責任者を務めるキンタ・サルドニアが大手グループの傘下に入ったので、自身が経営権を持つエル・レガハルに醸造場所を移し、しかしマドリッドはやはり遠いとバリャドリッドのワイナリーを借りましたが納得がいかず、、、と数年単位で醸造場所も移動してきましたが、2015年から義両親の田舎の家に醸造施設を作り、ようやく納得するワインができたそうです。
それぞれ完成度が高い中にも、ビンテージにジェロームの試行錯誤が刻まれていて、いつか子育てアルバムをめくるようにガリアの垂直試飲をしてみたいです。