ワインのダイアモンド
2017/11/17
白ワインのコルクの裏側や、瓶底にガラスみたいにキラキラしたものを見かけることがあります。これは、ブドウの酸味成分のひとつである「酒石酸」と、ミネラル分の「カリウム」が結合してできた結晶状の「酒石」です。飲んでも体に害のあるものではありませんが、ざらざらして舌触りは良くありませんので、グラスに入れないように注意して注いでください。
一般的に白ワインでは、瓶詰めする前に、一度マイナス5℃くらいにして結晶化させ、酒石を取り除きます。
その他の不純物として問題視されるのはタンパク質。これはベントナイト(ケイ酸アルミニウム粘土、マイナスに帯電)を添加して、タンパク質(pH3~3.6くらいのときはプラスに帯電)を吸着させて除去します。赤ワインの場合は、早い段階からタンパク質とポリフェノールが結合して沈殿するので、タンパク質による混濁が問題になることはありません。
それから、赤ワインで酒石をほとんど見かけないのは、白ワインほど低温にしてサービスすることがないからだと説明がありました。ついでと言っては何ですが、赤ワインで問題になる混濁の原因はポリフェノール(タンニン)。これは、卵白やゼラチンを添加して吸着させて除去します。
その他安定化に用いるものには、白ワインのポリフェノール除去用のカゼイン、ワインの褐色や有害な臭い除去用の活性炭、白ワインのポリフェノールの酸化によって起こる褐色除去用のポリビニルポリピロリドン、鉄や銅等の金属イオン除去用のフェロシアン化カリウムなどがあります。