夜11時くらいから明け方までブドウの収獲をするというので見に行ってきました。ライトアップされたペニャフィエル城と満天の星空は上手く写真に撮れなくて残念でしたが、収穫機による作業はとても興味深いものでした。
ペニャフィエル村から2.5キロほど行った右手の葡萄畑に作業している収穫機のライトが見えるから、と教えてもらって、夜11時頃出かけました。街灯も何もないところに動く明るい光を頼りに行くと、ゴゴゴっと収穫機が作業中でした。
ブドウの高さが1メートルほどですので、高さ3メートルほどの大きな収穫機です。ライトもとても明るいです。
収穫機の運転席から見た風景。モニターがついていて、ブドウの列に沿ってまっすぐに進んでいるかどうか、速度がちょうど良いか(早すぎても遅すぎても、収獲がきちんとできなかったり、ブドウの木や蔓を痛める危険性があります。)、圧搾されたブドウがタンクに運ばれているかなど、常にチェックしながら運転していきます。
収穫機の真ん中は大きく分かれており、バイブレーターの間にブドウの木を挟みながら進み、振動でブドウの粒だけを落とします。振るいにかけ、一緒に落ちた葉っぱなどは空気圧で取り除かれ、果実だけがタンクに入る仕組みです。
1ヘクタールを1時間ほどで収獲してしまうそうです。人手だと二人がかりで、丸一日かかって、このブドウの二列しか収獲できません。昼間にしか作業できないため、期待しない発酵が進んでしまう危険性もありますが、収穫機を使うと気温の低い夜間に一気に収獲できるので、ブドウの状態が最善のときに仕込むことができるメリットがあるそうです。
運搬用のトラックは、果汁を含んだ果実を運ぶため、ステンレス、もしくはビニールが張ってあります。ワイナリーの人によると、手作業でも機械による収獲でも、出来上がるワインの品質に全く違いはなく、どちらを選ぶかは畑の作りとコストによるそうです。(マニュアルの場合は一キロ当たりの支払いになり、機械の場合は時間当たりの支払いになります。)
たわわに実ったテンプラニーリョ種のブドウ。この木は16年めだそうです。降雨量の多かった年はこのくらい実がつくのが普通だそうです。
しかし、今年は雨が少なかったので、こんな風にまばらです。実は固くしまっていて、糖度も高い、ワインには最適なブドウだそうで、ワインの出来が楽しみです。
-ワイナリー訪問, D.O.リベラ・デル・ドゥエロ