Moradillo de Roa 伝統的地下セラー再生プロジェクト
標高920メートルのところにあるモラディージョ・デ・ロア村では、高品質のブドウが採れるので、有名ワイナリーがこぞって、ここのブドウを買い付けに来ます。それでも人口減少と高齢化は免れず、人口200人の村に160ヶ所以上もある、１８世紀の地下セラーやローマ式醸造設備は朽ち果てていく運命にあるように思われました。
この状況を何とかしたいと「伝統的地下セラー再生プロジェクト」が立ち上がったのが８年前。「ジャガイモ置き場にしか使ってないよ。お金もないし、リフォームなんて意味ないよ。」と不信感でいっぱいの村の老人たちへの説得から始まったそうです。
村役場から出た予算は、プロジェクトを説明するパンフレットの印刷代金のみ。
それでも少しずつ有志が集まり、今年、ようやく初めてのワインを仕込むことが出来ました！売れない白ブドウのアルビージョを農家が持ち込み、自然派ワインの作り手としては国際的な評価が高いアルフレド・マエストロがボランティアで参加。元ベガ・シシリア社の醸造責任者ハビエル・アウサスも協力メンバーに名を連ねます。
出来たワインを販売し、それを次の地下セラーのリフォームの資金にあてる計画。ゆくゆくは、この村をクラシックなワイン作りとワインツーリズムで賑やかにしたいと考えています。
補助金やクラウド・ファンディングなどで他人から資金を調達することをせず、自分たちの持っているものを生かして、村を再生する。やるからには、本物のビレッジワインを作る。
パンフレットの裏にDOリベラ・デル・ドゥエロのロゴがあったので、原産地呼称委員会からは補助金が出ているのかと思ったら、それすら何ももらってないのだそうです。
高樹齢の放置畑を若い醸造家が再生させて、素晴らしいワインを作り出している取り組みと同じように、若いエネルギーが眠っていた村を少しずつ変えています。ブドウを運んだカゴを洗ったり、果皮を濾すためのカゴを用意したり、オーストラリアやアメリカから来た醸造家の世話をしたり、ローカルテレビの取材に応じたり、村のご老人たちも大活躍！
ビデオ撮影もプロフェッショナルな人たちがボランティアで参加していたのですが、僭越ながらわたしもビデオに出演しました。
まだまだ再生プロジェクトは途中ですが、モラディージョ・デ・ロアを見学してみたいという方はお気軽にご連絡ください！
ビレッジワインの醸造１
https://www.youtube.com/watch?v=rOGA5jfiT0c
ビレッジワインの醸造２
https://www.youtube.com/watch?v=q2HCkE2f78A
ビレッジワインの醸造３
https://www.youtube.com/watch?v=QyhX-FmTzFA
ビレッジワインの醸造４
https://www.youtube.com/watch?v=ZSzzWWCkAwg
ビレッジワインの醸造５
https://www.youtube.com/watch?v=WJQUExhTdb8