ワインの欠陥について
2016/07/25
ワインは、例えば果物と同じように「食べ頃」があるし、薬品を使いすぎれば味が落ち、高温下に置けば腐敗し、不潔な環境下だと悪臭がつきます。生鮮食料品と同じです。ワインの欠陥としては「ブショネ」が有名ですが、大きく分けて以下のようなものがあります。
- 酸化
ワインが過剰に酸素とふれたことによる欠陥。赤ワインは暗いトーンの茶色に、白ワインは暗い黄色になっています。果実の香りは消え、極端な場合、腐臭や湿った嫌な臭いになります。フレッシュさや酸味は消え、苦みと平坦な味になります。
- 劣化コルク
コルクや醸造タンク、建物などワインと触れるものがカビと反応してTCA(トリクロロアニソール)が生成されて起こる欠陥。極端な場合は、湿った段ボールやカビの臭い。軽い場合は臭いでは感じないものの、果実の香りや味わいが消え、味わいが苦く、平坦になります。
- 過剰な亜硫酸投与
過剰な二酸化硫黄がワインに残っていると、マッチを消したときの臭いやナフタリンのような臭いがします。苦みや、つんとした感じ、口が乾くような後口になります。
- 酸敗
ワインに酢酸菌がつき、アルコール度数が低く、酸素があり、高い温度に置かれた場合、ワインが酢に変化してしまうことがあります。酢の匂いや、マニキュアの除光液のような臭いになります。深みが消え、酸っぱい味になります。
- 異臭(還元臭)
散布された硫黄がブドウに残っていた場合、発酵させる前の白ワインに不純物が多く残っていた場合、醸造過程で酸素が不十分だった場合に起こります。腐った卵のような臭い、ニンニクや腐った野菜のような臭いは、飲んだときにも残ります。酸化防止剤無添加で作るなど、敢えて嫌気的に醸造したワインで、他の劣化要因が含まれない場合は、デキャンタやグラスの中でゆっくり酸化するとほとんどの還元臭は消えます。