ワイナリー訪問 D.O.ルエダ Isaac Cantalapiedra
Cantayano
2016/07/31
去年の４月に大学院を卒業したばかりのマヌエル・カンタラピエドラ・モヤノさん。実家はブドウ農家で、ホセ・パリエンテやメナデなど、品質にこだわるワイナリーにブドウを販売しています。ワイナリー設立は2014年。建物作りも自ら手伝ったそうです。
スペインは、父親と母親の名字をひとつずつもらって、自分の名字にします。ワイン名は、自分の名字のカンタラピエドラとモヤノをあわせて、カンタヤノ。 ワイン名の付け方、そしてクラシックなラベルからも、マヌエルの真面目さが伝わります。ワインの味わいも、とても真摯。
ベルデホ100％。ステンレスタンクで6ヶ月シュールリーしたものに、樽熟成したワインを10％ブレンドしています。香りは、柑橘系やほのかなバナナなどベルデホ特有のものにあわせて、ハーブなども感じます。高い酸がバランスを整えますが、アルコール度数１４度と高く、柔らかな甘みもあるボディはしっかりした厚みがあり、余韻も長く、飲み応えがあります。
畑はすべてオーガニック栽培。硫黄も使っていません。一次発酵前にも亜硫酸塩は全く追加せず、発酵後に最小限加えています。オーガニックワインの認定があります。野生酵母のみ使用。
２７才が作る、ファーストビンテージ。将来的にも非常に楽しみなワイナリーだと思いました。
余談ですが、個性的で好感のもてるベルデホだと思ったら、やはりD.O.ルエダではなく、D.O.カスティーリャ・イ･レオンでした。ルエダの最も重要な醸造家の一人、アントニオ・サンスもD.O.ルエダを去ったと言うし、どこにむかっているのでしょうか、D.O.ルエダ。
テクニカルデータ
畑："Las Comas", "El Chivitero", "Los Picones"という３つの区画に分けています。標高は750メートルで、ラ・セカ村にあります。樹齢は30年までのものがあります。土壌は貧しく、表面に石灰分やごろごろとした石が見られる粘土質です。オーガニック認定があります。2014年は、９月13日に収穫を始めました。収穫量は、4400kg/ha です。
醸造：６時間マセレーション。高品質な果汁をとるために軽くプレス。3000リットルと7500リットルのステンレスタンクで21日間発酵。10％は225リットルのフレンチオーク樽で発酵。６ヶ月シュールリー。清澄、軽く濾過。2015年７月20日にボトル詰め。生産本数は19300本です。
テイスティング：青みがかった黄金色。干し草やウイキョウ、アニス、土の香りと、桃などの香りがあるが、土壌からくるミネラルが豊かに感じられます。味わいは香りから想像されるとおりです。ミネラル感があります。良質な酸、暖かさ、さらにもう一杯飲みたくなるしっかりしたストラクチャーがあります。