キリオス・デ・アドラダ
2017/03/09
代々ブドウ栽培をしていた家族が2001年に設立したワイナリーです。
豊かな自然に囲まれた小さな村の中にあります。
3世紀にフランスからの移民が作った村だそうで、多くの村民が青い目をしています。現在は羊を飼っている人はいなくなってしまいましたが、以前は多かったそうで、左の写真は昔ながらの羊小屋です。標高950mの広大な大地。夕日と月が同時に見えるそうです。星空はさぞかし美しいことでしょう。
石灰質の畑。テンプラニーリョ主体ですが、この地方に元々多かった古いガルナチャもあります。ビオディナミ農法の肥料を作る樽。牛の角に糞を入れて土中に埋め、それを水で溶かして作ります。数億のバクテリアが生まれ、生態系を整えるのだそうです。
ブドウ畑に、他の動植物が必要な理由。周囲に枯れ草があると、ブドウには害になるバクテリアや虫は、まずその枯れ草について、ブドウにはつかないのだそうです。
自然のハーブがたくさんあります。香りもさまざま。
15世紀の地下セラー。
小さな醸造設備。
10万本分のブドウを育てていますが、自社でボトル詰めするのは2万本。パゴ・デ・カラオベハスやトマス・ポスティーゴ、ピングスなど、錚々たるワイナリーにブドウを売っているそうです。
アルビージョとピルレスを樽発酵、15ヶ月樽熟成させて作った白ワイン。開けたばかりは、やや酸化したアロマと味わいでしたが、グラスの中で驚くほど開く様子は、まるでさなぎが蝶になる美しい瞬間のよう。ピルレスというブドウは起源がよくわかっていない、この地域固有のめずらしいブドウです。
右は、足踏みして、開放樽で発酵させたガルナチャ。柔らかく、品がある、とても好感のもてるガルナチャ。
Ácrataは、アナーキーという意味ですが、「自由な」という意味を込めて名前をつけたそうです。
テンプラニーリョの写真を撮り忘れてしまいましたので、また次回ご紹介します。