Castro Ventosa Joven 2010
言うまでもなく、現在では、ラウル・ペレス氏の活躍場所は世界各地に広がっているわけですが、今回は彼の実家ワイナリー、カストロ・ベントサの若飲みタイプを飲んでみました。D.O.ビエルソのメンシア種100%の赤ワインです。
ラウル・ペレス氏の家族は、人口わずか150人ほどの小さなValtuille de Abajo村で、18世紀からブドウ栽培農家をしていました。ラウル・ペレス氏がカストロ・ベントサを手伝い始めたのは1993年で、1999年にリカルド・ペレス・パラシオスとその叔父アルバロ・パラシオスと共にワイン作りをした経験が、その後のラウル・ペレス氏のワイン作りに大きな影響を与えたと言われています。
このワインは、基本的にステンレスタンクで醸造していますが、一部を5000リットルの大樽で熟成したものをブレンドしています。赤みのかかった紫色で、強くはありませんがベリー系の香りがします。味わいは、意外なほどつるっとしています。タンニンはしっかりと溶け込んでいて、ふわっと軽い盛り上がりがあります。とても作りのしっかりしたワインだと思います。ただ残念ながら酸味もしっかりあるのに、生き生きとした感じに欠けていたのは2010年ものだからかもしれません。
今回試してみたかったのは、薄ければ、グラスの形状に関わらず、シャープな味わいになるものなのかということ。厚いグラスだと、どうしても、どぼっとワインが口に入ってしまうので、味わいの輪郭がぼやけてしまいます。
写真左側は、シードル用のハンドメイドのグラス。ノギスで計りましたが、厚さは0.2ミリ、口径が90ミリ、高さは122ミリです。右側は、リーデル社のOシリーズ。厚さは0.3ミリ、口径が65ミリ、高さは130ミリです。シードル用グラスの場合の方がOシリーズより、飲もうとしてから口に入るまでほとんど時間がかかりません。量も多くなりがちです。それ故、微妙な味わいの差は出るものの、厚いグラスと薄いグラスほどの違いはありませんでした。シードル用のグラスでも、十分、シャープな輪郭を感じらました。
ブドウ品種別に様々なグラスが販売されていて、購買意欲をかきたてられますが、そうそう全種類揃えるわけにもいかないので、ワインをより美味しく飲むために、薄い上質なグラスを是非一脚お持ちになると良いと思います。ラウル・ペレス氏のお勧めは、リーデル社のシラー用の大振りなグラスだそうです。