O Viño do Pepino 2011
D.O.ビエルソのメンシア種100%の赤ワインです。砂地で、ごろごろした石に表面を覆われた土壌の、樹齢70年の古樹を使っています。南東向きの畑です。レオン県のValtuille de Abajo村は、良質なブドウが採れることで有名です。
醸造家 のホセ・ペレイロ氏(愛称:ペピーノ)は、今年ドイツで開催された国際ワイン見本市で世界最優秀醸造家という賞を受けたラウル・ペレス氏のもとで働いていた若き実力派。周囲から、「何かラウルから学んでればいいけどねぇ」とからかわれても、赤くなって照れているような、真面目で優しそうな好青年です。
一次発酵は、ブドウの半分を全房で、残りをブドウの実だけで、開放樽で行います。その後、10ヶ月フレンチオークで二次発酵。生産本数は、たったの570本です。師匠が、将来性のある弟子に任せてみた試作品という感じでしょうか。恐らく、この品質で、この生産量、この価格ではビジネスにならないのだと思います。
とても残念ですが、次のビンテージが出るかどうかは不明だそうです。
色合いは、赤みがかったやや不透明な紫色。最初に、キャラメル入りのチョコレートみたいな甘い香りがして、グラスを揺すると熟した果実とフローラルなアロマが開いてきます。すっきり爽やかで飲みやすいだけの若いメンシアと違って、古樹のメンシア故だと思いますが、タンニンが強く、凝縮感があります。よく熟したプルーンのような余韻も長いです。ご本人の人格が出ているかのような、テロワールに忠実で、奇をてらわない素直な味わいのワインはとても好感が持てます。そして、とても飲み応えのあるワインだと思います。
カスティジャーノと呼ばれる標準スペイン語が話されるレオン県のワインなのに、わざわざガリシア語で「O Viño do Pepino(ペピーノのワイン)」と名前がついていることから、彼の出身地ガリシア地方へのこだわりも感じ取れます。現在、ペピーノが集中して取り組んでいるという、D.O.リベイロのワインも楽しみです。
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