グラモナ訪問
1881年から5世代にわたってCAVA作りをしているグラモナ。スペインのスパークリングワインではトップクラスの作り手だと思います。 19世紀から使っている伝統的なワイナリー施設では、グラモナのトップキュベであるCeller Batlle、III Lustros、Agent が作られ、新しく作られた大きな施設ではImperialなど生産本数の多い他の銘柄が作られています。
今回見学したのは伝統的なワイナリー施設です。非常に有名なワイナリーの割りに、こじんまりとしていて、地下4階ほどあります。
一時発酵用ステンレスタンク。運ばれてきた葡萄果汁の糖度をアルコールに変化させる工程。
一次発酵の工程が終わったワインを瓶詰めします。大量生産されるCAVAは、ビール瓶などと同じタイプの王冠でキャップされますが、グラモナのCeller Batlle、III Lustros、Agent シリーズは全て手作業で作られるので、昔ながらのコルクと留め金でフタをします。
同じ建物内の地下がセラーになっています。
瓶内二次発酵中に破裂してしまった瓶の跡。瓶内熟成の期間は銘柄によって異なりますが、例えばCeller Batlleは、8年間このセラーに寝かせます。その間にうまみが増し、炭酸ガスがよりキメ細かく液体に溶け込んでいきます。
熟成が終わり、市場に出る前に澱抜きの下準備をします。ボトルの口の方を穴の開いた専用板(ピュピトル)に差し、一週間ずつ8分の1回転させ、角度をあげていきます。これを繰り返すことで、瓶の中の澱がボトルの口に溜まってきます。
白い線が目印です。この動瓶作業は、多くのワイナリーがジャイロパレットという機械で自動化していますが、グラモナでは手作業で行います。
瓶口にたまった澱がはっきり見えます。
グラモナでは瓶口を凍らすことなく、熟練工が手作業で澱を抜きます。一人で一日1000本くらいの作業ができるそうです。
澱とともに抜けた液体を補充します。Brut Naturalは加糖してないワインを、Brutは加糖したリキュールを加えます。これが、最終的なCAVAの味わいを決めます。
液体に接する部分は天然コルク、上の方は天然素材の圧縮コルクを組み合わせたものを使っています。真ん中についていてる小さな十字がD.O.CAVAの認定をとっている印です。
コルクを打って、針金で固定します。
打栓が終わると、瓶をふいて、ラッピングし、箱詰めします。これもすべて手作業。30年以上グラモナで働いている女性が二人だけで賄うそうです。
門外不出の補填用リキュール。グラモナではシェリー酒と同じ作り方をしています。香りに気をつけると、そのニュアンスがわかると思います。
昔ながらのワイン作りの道具が飾ってあります。ワイン博物館さながらです。
予約をすれば一般の方も見学と試飲が可能です。