La Clave 2011
2014/02/20
世界的に有名なスペインの醸造家、ラウル・ペレスによるD.O.ビエルソの「鍵(キー)」という名前のワインです。主要品種はメンシア。伝統的な混植畑なので、2%ほど他のブドウ品種が混ざります。自然が持つ力を尊重し、人の介入を出来るだけ避けるラウルらしい作りのワインです。「みんなに美味しいワインを飲んで欲しい、知って欲しい。」と誰よりも願っているラウルは、限られた人だけが飲めるワインを作りたいわけじゃない、という思いが強く、各地で精力的にワインを作っています。
El Pecado、Sketch、Delitto y Castigo(現在生産中止)、A Trabe、Ultreia Cova de la Raposaなど、彼を醸造家として有名にした愛好家垂涎のワインはどれも入手が難しく、比例して価格も高騰しており、なかなか普通に楽しむというわけにはいきません。しかもほとんどが輸出されてしまっています。スペイン国内向けには、Ultreia Saint Jacques、Dargoなどが価格的にもポピュラーですが、このLa Claveも、そんな国内向け市場を意識したワインのひとつだと思います。ただDargoもLa Claveも新しいビンテージを見かけないので、定番銘柄として生産するつもりはないのかもしれません。
色合いは、透明な質感の輝きのあるワインレッド。薄めのレンガ色の縁取りがあります。グラスに注いだ直後は鉱物的な香りがしますが、時間とともに赤い果実やオークなどをベースに胡椒やバニラなど複雑な香りが開きます。味わいは、タンニンがしっかりと効いていますが、苦みは少なく、全体的に軽やかで飲み疲れしません。メンシア種の特徴がよくわかるワインだと思います。時間が経つと、桃のような甘さが感じられ、味の変化が楽しいワインです。