ペニンガイド星付きワイン会 その3
スペインワインのガイドブックとしては最も有名なペニンガイド誌主催のコストパフォーマンスに優れている評価されたワイン会のレポートそ3です。
D.O.トロのVinos y Viñedos de la Casa Maguila. 樹齢50年を超えるティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ)のフルボディでタンニンのしっかりとした赤ワインです。やや甘みもあり、カシスなどを感じさせるアロマがあります。Cachito Mioというのはチャチャチャの曲名。このワインには熱いパッションが流れているのだそうで、ラベルにも、ワインの名前にもそれが表現されています。味わいとラベルの雰囲気が似ているのは、わかりやすくていいなと思います。
V.C.グラナダのBodegas Fontedei。6ヘクタールの自社畑を持ち、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー、テンプラニーリョ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンを栽培しています。スペイン南部で作られるワインは、ぽってりした、ふくよかな味わいのものが多いのですが、ここの畑は標高1000メートルを超えるところにあるので、しっかりした酸が残り、シャープさとフルーティさをプラスしています。
Albayda(白)は、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネのブレンド。Lindaraja(赤)は、テンプラニーリョとシラーのブレンドで、5ヶ月間樽熟成しています。
1998年に創立のD.O.リベイロのBodegas Valpugaです。ボルドーのシャトーからインスピレーションを受けているのだそうです。別の地区に3.5ヘクタールと1.5ヘクタールの畑を持ち、土壌や気候から生まれるキャラクターの違いを上手くブレンドし、この写真の1銘柄だけを作っています。メインのブドウ品種は、トレイシャドゥラ。それにアルバリーニョ、ゴデジョ、ロウレイロなどが混植されています。
果物のアロマが魅力的です。すっきりした軽めの味わいですが、甘さと酸味などのバランスがよく、余韻もあり、なかなか良く出来たリベイロだなと思いました。
D.O.ソモンタノのBodegas Laus。Gewurztraminer、Chardonnayの単一種からできた白ワインが高評価を得ての出展。どちらもフローラルなアロマが香り高く、上品なお菓子のように少しだけ甘め。ワイナリーは、フランスに近いウエスカ県にあり、ピレネー山脈を望む自然豊かなところにあります。シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ガルナチャ、シラーを栽培しており、年間生産量は300万リットルです。
D.O.ビエルソのBodegas Almazcara Majara。「人生を豊かにする3つのことは、美味しい食事と美味しいワイン、そして友達との楽しい会話」というのが、このワイナリーの哲学で、誰かの人生の食卓がより楽しく、より良いものになるようにと願ってワイン作りをしているそうです。メンシアで作られる赤ワインは、ミシュラン星付きレストランにもオンリストされている人気商品。
今回は、コストパフォーマンスの良いワインということで、ゴデジョの白ワインが出展されていました。標高850メートルの急勾配のところにある畑で採れるブドウを使っています。600リットルのフレンチオーク樽で熟成したワインを30%ブレンドしているため、やや厚めの作りで、ミネラル感があります。果物よりも花の印象が強いです。
Hijos de Antonio Barcelóのワインです。7年ほど前までは、同じワイン名を、違う原産地呼称でも使うことができませんでしたが、最近は規定が変わり、リベラ・デル・ドゥエロのViña Mayor、トロのViña Mayor、ルエダのViña Mayorとなりました。D.O.リベラ・デル・ドゥエロのBodegas y Viñedos Viña Mayorは、1986年に創立した老舗ワイナリー。同じグループには、D.O.C.リオハのBodegas Palacio、バリャドリッドのBodegas Peñascal、D.O.トロのBodegas y Viñedos Anzil、D.O.ルエダのCaserío de Dueñas、V.T.カスティーリャ・イ・レオンのBarceló Estatesがあります。どのワインも、その地域の特徴を思い起こさせるクラシカルな安定感のある味わいがあります。