ペニンガイド星付きワイン会 その1
2013年11月26日、マドリッドにて、ペニンガイド星付きワイン会に参加しました。スペインワインのガイドブックとしては最も有名なペニンガイドでは、各ワインのポイントとは別に、コストパフォーマンスの良さを星の数で評価しています。
5つ星は、スペイン市販価格5ユーロ以下でポイントが85点から89点、もしくは10ユーロ以下でポイントが90点以上のワイン。4つ星は、スペイン市販価格5ユーロから8ユーロでポイントが85点から89点。もしくは10ユーロから13ユーロでポイントが90点以上のワインです。
とても興味深いイベントだと思ったのですが、この日、急激に冷え込んだこともあってか、同じペニンガイドによる価格に拘らない優秀ワイン会よりも人出は少なかったです。多少高い入場料を払っても、有名だけど滅多に買えないワインの味見をしてみたいという層の方が厚いようです。もしくは、味わいは値段次第に違いないというステレオタイプが根強いのかもしれません。
確かに、良質なワイン作りには、ブドウの収穫量コントロールが欠かせないので、一本あたりのワイン価格も上がってしまいがちです。ただ最近の醸造技術の進歩は目を見張るものがあり、今回出展していたワインの中にも素晴らしい味わいのものがたくさんありました。いくつかご紹介していきます。
Binigrau
マヨルカ島のワイナリー。認定をとっていない銘柄もありますが、オーガニックやビオディナミック栽培をしています。 気候風土に適した、オリジナリティのあるワイン作りを心がけているそうです。Obac11 2011の赤ワインは、酸とタンニンがよく効いており、後口はフルーティでした。軽い苦みもなかなか良い感じでした。
Sanz y Núñez S.L.による、Dominio de Peroleja 2011です。セゴビア県の、樹齢150年という古いテンプラニーリョ種から作られます。樹齢からして当然のことながら、全て株仕立て。年間の畑仕事は全て手作業です。認定はありませんが、すべてオーガニックワインの基準をクリアしています。6ヶ月フレンチオークで熟成しています。フルーティなミディアムボディ。口の中に広がるテンプラニーリョ特有の厚みのある味わいもなかなか印象的。この価格で、このパフォーマンスは驚きました。2011がファーストヴィンテージで、ディストリビュータもインポーターもまだおらず、ワイナリー直販価格=市販価格だからできるのだと思います。
原産地呼称は、D.O.P.Vinos de calidad de Valtiendas。ここで使用が許可されている品種は、赤ワイン用がテンプラニーリョ、シラー、ガルナチャ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローとシラー。白ワイン用がアルビーリョです。
D.O.リベラ・デル・ドゥエロの老舗ワイナリー、Pago de los CapellanesとCillar de Silosのエントリークラス。残念ながら会場がとても寒くて、フルボディの赤ワインのコンディションはあまり良くなかったのですが、温度が低いことで、きりっとひきしまってフルーティさが強調されていました。テンプラニーリョは重すぎて苦手とおっしゃる方には、ぜひこの辺の軽めに樽を通したものや、ステンレスタンクだけで熟成したタイプを試していただけると印象が変わるのではと思います。お食事と合わせるのにもお勧め。
Tomas Postigo。
オーナー兼醸造家のトマス・ポスティゴは、D.O.リベラ・デル・ドゥエロの要でありつづける一人。リベラではじめて、ボデガス・プロトスで熟成タイプの赤ワインを作り、かのロバート・パーカー氏が誕生日を祝い、ここのコチニージョ(セゴビアにあるレストラン、ホセ・マリアの子豚の丸焼き)を食べ、ワインを飲みながら死にたいとまで言わしめたパゴ・デ・カラオベハスを作り上げた人でもあります。
アロマも味わいも、別格。
長い経験と明確な理想像があるので、少しもブレない芯の強さと、本当に良質なブドウだけを使っている育ちの良さのようなものを感じさせます。D.O.リベラ・デル・ドゥエロの赤ワインのワイナリーはありますが、D.O.ルエダは他のワイナリーの施設を借りて作っています。自社畑はありませんが、ブドウ農家との長い年月で築き上げた信頼関係、高い買い取り価格で実現される高品質により、毎年、国内外で高い評価を受けています。現在、日本には未入荷ですが、人気ワイン故、売り出す前から完売しており、年間予約制。ご興味のあるインポーターの方がいらっしゃいましたら、BUDO YAまで、ご連絡ください。オンライン販売はこちらから。