José Pariente Fermentado en Barrica 2011
50年前にバリャドリッド県ラ・セカ村(D.O.ルエダ)で、良質な白ワインを情熱を持って作り続けていたホセ・パリエンテの令嬢、ビクトリア・パリエンテが2008年に現在のワイナリーの形にしました。当初は、D.O.トロのエリアス・モロの醸造家、ビクトリア・ベナビデスとともに「二人のビクトリア」として共に良質なワインを作っていましたが、現在は、それぞれ別のワイナリーのオーナー、醸造家として活躍しています。
今回、試飲したのは、D.O.ルエダのホセ・パリエンテの樽熟成白ワイン。ルエダでは、伝統的にベルデホ種を使った若飲みタイプのワインが作られてきましたが、ここ数年、フレンチオークで数ヶ月熟成させた長期保存にも耐えるタイプの、厚みのある白ワインの評価が高まっています。たっぷりとした味わいで、赤ワインのように肉料理に合わせるのを良しとする傾向があるのですが、「焼き栗と樽熟成の白ワインのマリアージュはぴったりだよ」というアドバイスを受けて、試してみることにしました。
この樽熟成タイプは、ホセ・パリエンテの自社畑の中でも古い樹齢のベルデホ種を使って作られます。D.O.ルエダでは、ワインの品質を守るため、株仕立ての畑は8千キロ/ヘクタール、垣根仕立ての畑は1万キロ/ヘクタール 以下の収穫を義務づけていますが、このワインを作るブドウの平均収穫量は4千キロ/ヘクタール。 機械摘みでの収穫がほとんどのルエダではめずらしく手摘みで収穫され、20キロまで入る箱に入れられ、ワイナリーに到着するまでブドウの実がつぶれないよう配慮されています。
フレンチオーク新樽と2年目の樽で発酵されます。その後、6ヶ月シュール・リー。最終的にステンレスタンクに移され、5ヶ月間熟成されます。
色合いは、輝きのある黄金色。若いベルデホが青みがかっているのに比べると、暖色系の濃いめの黄色です。 第一印象としてパイナップルやバナナなどのトロピカルフルーツの香りを感じましたが、基本的に熟した甘い果物の香りで、やや甘く、厚みのあるボディを期待させます。ワイナリーの説明によると、燻製の香りや、軽いオークの香りも感じるとありますが、そう言われればそうかも、というくらいのかなり軽めのニュアンスで、しかしそれがこのワインの奥行きを形作っているのかも知れません。
味わいには厚みがあります。生き生きとした爽やかな酸味がしっかりしているので、意外と軽やかな印象を受けますが、余韻はとても長く続きます。ちょうど美味しい果物を食べた後のような甘い、清々しい後口です。樽熟成してありますが、それが具体的に樽の香りとして出てくることはないように感じました。ただ、ベルデホ種の特徴でもある苦みが抑えられているのは、樽熟成の効果ではないかと思います。ホイップクリームのように柔らかい飲み口で、アルコール度数14度という強さが信じられないくらい飲みやすいため、すいすいとグラスが空いてしまいますが、少しグラスを置いてみるとミントやトリュフなど複雑なアロマと味わいが感じられるのではないかと思います。
前後してしまいましたが、焼き栗との相性はぴったり。栗の優しい甘さを、熟成したワインの柔らかな甘さが包み込み、栗もワインもどちらもとても美味しく頂きました。
ホセ・パリエンテは、ルフトハンザ航空で唯一、スペイン産白ワインとして機内カタログに載っています。ラベルもとても美しく、これからお客様を迎えることが多くなるシーズンにはピッタリな一本ではないかと思います。
BUDO YAでもご購入いただけます。