Elias Mora 2011 (Bodegas Elías Mora)
D.O.トロのお姫様的なワイン、エリアス・モラを試飲しました。
ワイナリーは2000年創立。サン・ロマン村にあるブドウ畑の元々のオーナーから、エリアス・モラという名前をとっています。畑は標高800メートル、降雨量が非常に少なく、夏冬の寒暖差、昼夜の寒暖差の激しい地域にあります。土壌は、ごろごろとした石に覆われており、石灰岩を含み、地下深くにはたくさんの有機物があります。
醸造責任者は、ビクトリア・ベナビデスです。ワイナリーはブドウ畑のそばに、ワインは樽のそばに、というのがモットーで、整った設備を持っているものの、野生酵母を生かした伝統的なワイン作りをしています。
基本となる味わいは、奇をてらわない、ごくオーソドックスなトロ地方のしっかりしたフルボディです。それをキメ細かく泡立てたムースのようなふわっとやさしい印象に仕上げているのが、押しつけがましくないけれどもしっかりと輪郭にある樽の感じと、深く溶け込んで表面に攻撃的に出てこないタンニンだと思います。強くはありませんが、果実味もきちんと感じます。
ティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ種の亜種)100%。6ヶ月アメリカンオークの新樽で熟成しています。深い紫色で、たっぷりしたグリセリンがあります。アメリカンオーク独特の、甘いミルクの香りが印象的で、その後、黒い果実やすみれ、コーヒーなどの香りが出てきました。
余韻はとても長く続きます。
きちっと制服を着た女の子が姿勢良く、颯爽と歩いているような、明るい印象のワインでした。ワイナリーによると、この1~3年が飲み頃だそうです。