GALIA (Viñas de El Regajal)
2017/11/06
Jerome Bougnaud氏は、1978年にフランスのコニャック地方で4世代続くブドウ農家に生まれました。ワインに囲まれて育ち、ボルドーで学び、2001年、23才のときからピーター・シセック氏の厚い信頼を得て、Dominio de Pingusの畑管理者として働き始めました。同時に、2002年からサルドン・デ・ドゥエロのQuinta Sardoniaで、畑管理者、醸造家としても活躍し、マドリッドのEl RegajalをDaniel Garcia-Pita Jrと二人で立ち上げ、畑管理者、醸造家として素晴らしいワインを作り続けています。
そして、彼が関わるどのワインも、国内外で非常に高い評価を受けています。
2009年からは、彼自身のプロジェクトである”GALIA”を始めました。
GALIAで使うブドウは、ソリア県、ブルゴス県、バリャドリッド県とドゥエロ川に沿って134Kmにわたる地域から、ジェロームが納得して選んだ畑で、全てビオディナミ農法で栽培されています。現在は、離れた場所の様々な土壌と気候からなる5つの村にある13区域の、合計4ヘクタールの畑があります。2013年には、2つの村の5区域の畑を1ヘクタール増やす予定です。
どの畑も、樹齢100年を超すものばかりで、標高は795メートルから968メートル。現在のスペインで、最もビオディナミ農法に詳しいと言われているジェロームが、自らの経験と天才的な直感で、土の様子を探り、風の匂いを嗅ぎ、樹の様子を眺めて、惚れ込んだ畑はドゥエロ川に沿って134Kmも離れた場所に点々と存在しています。ほとんどが、仕事のし難い厳しい環境にあるために廃畑になりそうだったところです。ジェロームによると、土壌に石が含まれていて、空気が流れていると、その土地を再生させるのにそれほど時間はかからないのだそうです。
トラクターが入らないので、全て馬を使って作業しています。
原産地呼称を名乗らないのでさまざまな制約から自由です。特に、リベラ・デル・ドゥエロでは評価の低い、古い樹齢のガルナチャ種に高い可能性を感じていて、テンプラニーリョ種と組み合わせることで、複雑なアロマと味わいが一層深くなると語っています。
2012年までは、Quinta Sardoniaで醸造していましたが、2013年からはマドリッドのEl Regajalで醸造します。
ジェロームのワイン作りに関する哲学は3つ。”バランス”、”純粋さ”、”ミネラル”。
醸造家の仕事は、ワイン作りの医者のようなもので、必要なときだけ、正しく対応すれば良いものだと思っているそうです。最も重要なのは、経験と知識を生かして、良いブドウを育てること。それ故、常に畑にいたいのだそうです。そして、土壌とミクロクリマについて深く理解し、そこからできるブドウの可能性を理解し、最終的にそれを組み合わせることで、最高のアンサンブルとバランスを追求できるそうです。
ピーター・シセックとは、23才のときから一緒に働き、同じ方向を向いたワイン作りの情熱を持っていたので、彼からはとても大切なことを学び、インスピレーションを得たそうです。そして、「スペインで共に成長し、素晴らしいワインを作ってきた。」と力強く話してくれました。
テクニカルデータ
92.5% テンプラニーリョ、7.5% ガルナチャ
テンプラニーリョの20%、ガルナチャの60%が全房使用
フレンチオーク(Darnajou)18ヶ月樽熟成。(20%が新樽、70%が2年目の樽、10%が3年目の樽)
2012年7月4日にボトル詰め。3513本、マグナム182本
ティスティングノート
紫色に縁取られた深いチェリーレッド。アロマはフレッシュで複雑。時の経過とともに熟した赤い果実、ヒマラヤ杉やシナモンなどが感じられます。味わいは滑らかでたっぷりとしています。ナチュラルな素晴らしい酸があって、最後まで飽きさせません。ジェロームによると、抜栓後3週間経っても、そのポテンシャルは落ちないまま楽しめたそうです。