アバディア・レトゥエルタ
バリャドリッド県サルドン・デ・ドゥエロ村にある、アバディア・レトゥエルタに行ってきました。1996年創立当初から数々のコンクールで優秀な賞に輝いている世界的な人気のあるワイナリーです。高貴な感じのする金色の天使のラベルを見かけた方も多いのではないかと思います。
今回は、ワイナリー観光のコースを見て回りました。まずは、ワイナリーに集合。その後、車で修道院に移動、見学。車でブドウ畑を見学。(3カ所ほど車を降りて見学します。)ワイナリーに入って、醸造プロセスの見学。2種類の試飲。という内容でした。
ワイナリーは木材をたくさん使った、とてもナチュラルな雰囲気です。あちこちに大きな松の木があります。とても古くて大きなものですが、この松の木のおかげで独特なミクロクリマが生まれ、ブドウが風害、冷害から守られています。
ワイナリーと街道をはさんで反対側に12世紀に建てられた修道院があり、長い間ワインを作っていました。その畑がアバディア・レトゥエルタの基本となっています。現在は一部が改装されて、5つ星の高級ホテルになっています。建物の壁に彫られた天使が、ワインラベルのモデルです。
ゆったりとした静かな空間で、美味しいワインはいかがですか?
パティオ(中庭)は建物の影にあるので、夏でも涼しく爽やかです。
歴史的、宗教的な場所はきちんと保存されています。通常のミサには使われていませんが、特別な結婚式や、重要な試飲会などには使われているそうです。
ブドウ畑の見学が始まります。
今回は、車で見学しましたが、自転車も貸してもらえます。
黄色い杭は、年間を通じてデータ分析をする列の印です。赤い杭もあって、これは畑の区域が変わる印。地面の色や、石の様子が変わります。
ドゥエロ川からひいた農業用水路です。その脇は遊歩道になっていて、自転車で走ると気持ち良さそうです。
途中、とても大きな樫の木があって、傘のように枝が広がっています。中は年中木陰なので、夏の昼間はこの中と外では5℃も温度差があるそうです。ピクニックに良さそうですが、あくまでも私有地なので、勝手に使ってはいけません。
車の中で、畑の区分や栽培しているブドウ品種について説明してもらいました。
熟したブドウを食べに来るスズメなどを追い払うため、一般的には空砲で脅すのですが、アバディア・レトゥエルタでは猛禽類がとまりやすい柱を建てています。現在のところ、とても効果的なのだそうです。
標高の高いところから見下ろしたアバディア・レトゥエルタの畑。全部で700ヘクタールあり、年間を通じて25人が畑の管理をしています。収穫のときはさらに150人を雇うそうです。
7月18日のテンプラニーリョ種。冷夏が心配されましたが、7月に入ってから高い気温が続いているので、無事に成長しています。
一通り畑を見学した後は、ワイナリーに戻ります。
収穫の時期には、ワイナリーの壁が開き、トラックが横付けされ、ブドウが運び込まれます。そして選別テーブルでチェックされます。
選別されたブドウは6000リットルのタンクに一旦入れられ、そのタンクをステンレスタンクの真上まで運ぶレールが天井に通っています。つまり、ブドウやワインの移動はすべて重力だけで行われるので、余分な負担がかかりません。
ラボラトリー。 現在の醸造責任者は、アンヘル・アノシバル氏です。ボルドー大学で醸造学の博士課程を終え、2005年にはInternational Wine Challengeで「醸造家世界一」の名誉に輝いています。
ブドウだけでなく、コルクや瓶、樽など、ワインに関わる全てのものについて調査、研究しています。
圧巻の樽熟成室。近未来的な感じがしました。
ワイナリー入り口にある販売コーナー。
剪定後のブドウの枝も売っていました。
試飲は2種類でした。セレクション・エスペシアル 2009と、シラーのPago la Garduña。どちらも完成度の高さが光っていました。
ワイナリー観光には、 試飲講習会、ブドウ収穫体験、馬でブドウ畑の散策、ハイキング、ヘリコプターからの見学など、たくさんの種類があります。ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。