ワイナリー訪問 D.O.リベイラ・サクラ D.O.リベイラ・サクラ
レヒナ・ビアルム
D.O.リベイラ・サクラのワイナリー、レヒナ・ビアルムを訪問しました。
リベイラ・サクラの原産地呼称委員会は、1996年に設立され、現在は約100ワイナリーが登録しています。しかし、スペインの大部分の地域がそうであるように、この地域でも2千年前からワイン作りが行われていました。
山頂にワイナリーはあります。通常期は、5人が畑で働き、1人が醸造管理、1人が事務や観光案内をしています。
ワイナリーの建物のすぐ隣がブドウ畑です。南西に面した山腹にだけに畑が広がっています。
10年ほど前までは今より平均気温が低く、アルコール度数12度のワインを作ることは難しかったそうですが、現在では逆にアルコール度数12度以下のワインは作れなくなったそうです。
シル渓谷です。観光船が見えます。
川のごく近くまでブドウ畑があります。
メンシアとゴデジョは混ぜて植えられており、収穫するときに分けます。自社畑のブドウは全体の3分の1で、残りは契約農家からの買い取りです。畑の表面は大きめの石がごろごろしています。この石が昼間の熱をたくわえ、夜、放熱するので、霜害がありません。リベイラ・サクラの中でも、この地域は地中海性気候に分類されています。
リベイラ・サクラの中では比較的大きなワイナリーですが、リベラ・デル・ドゥエロやリオハなどに比べるととても小さな規模です。レヒナ・ビアルムの年間生産量は20万本です。
ここのワイナリーでは、樽熟成タイプ2種類、ステンレスタンクのみの若飲みタイプ3種類、オーガニックワイン1種類、ゴデジョ1種類を作っています。
赤ワインの醸造プロセスは、除梗後、ブドウの実を丸ごと、コールド・マセレーション約7日間、27℃から29℃でアルコール発酵約10日間行います。発酵完了後、ブドウの皮や種もそのままにステンレスタンクの中に残したまま、温度コントロールはせずに15日間おきます。
プレス後、液体だけをステンレスタンクに保存します。
マロラクティック発酵は12月に行い、だいたい4月に濾過後、-3℃にして品質を安定させ、瓶詰めします。
樽熟成タイプは、マセレーションからマロラクティック発酵までを大樽で行い、その後、フレンチオークの通常樽で熟成させます。
ゴデジョは、プレス後、半分を写真真ん中のフードル樽で発酵させ、残りをステンレスタンクで発酵させます。最終的にステンレスタンクで両方を混ぜ合わせ、12月頃に瓶詰めし、4月頃出荷されます。年間生産量は8千本ほどです。
フレンチオークの通常樽は、3~4年使用します。
瓶詰めの機械です。
2階は、ラボラトリー、事務所、試飲コーナー、応接室でした。様々なコンクールの賞状が飾ってあります。
左から、レヒナ・エクスプレシオン(樽熟成タイプ)、レヒナ・ビアルム(若飲みタイプ)、ゴデジョを試飲しました。
応接コーナーです。ガリシアは州を上げて、観光に力を入れています。リベイラ・サクラは、シル川クルーズ、山間を走る観光トレイン、ワイナリー観光と食事が組み合わされた日帰りツアーがあるので、このワイナリーも見学客が多いそうです。
車で30分ほどのオウレンセ県には温泉がたくさんあり、川辺にある無料の温泉施設は水着着用ですが、露天風呂感覚でとても楽しいです。かなり温度も高い天然温泉です。