脇芽かきと、台木
このまま寒い冬が続くかとうんざりしている頃、3月、4月になると突然まるで夏になったかのような暖かな日が訪れます。そうするとブドウの芽が待ちかねていたかのように一気にふくらみだします。
最終的に良いブドウを採るために、この時点で状態の良いものだけを3つ残し、芽を摘み取ります。そしてまた寒い日々が舞い戻り、ブドウはじっと耐えながらも各芽から二本の蔓を葉っぱとともに大きくしていきます。気温が安定し、ある程度、葉っぱが大きくなったとき、もう一度、脇芽を摘み取る作業をします。バリャドリッドの中でも標高900メートル近いこの畑ではまだまだ寒さでせっかく大きくなった蔓や葉っぱがダメになってしまう危険性もあるので少し余裕をもたせて脇芽かきをします。数週間後、気温が落ち着いた頃、最終的には1本の木に状態の良い6つの蔓だけを残して脇芽かきをします。そうすることによって、一番状態の良いブドウが収穫できます。
とても手間と人件費がかかる作業なのですが、パゴ・デ・カラオベハスでは良い芽を選別できる経験をもった、信頼できる人に作業してもらえるよう、長期にわたっての契約をしているそうです。
こちらは、2週間前に植えられたばかりの台木です。パゴ・デ・カラオベハスでは、これに、独自の研究と調査で選択し、保存している優秀なクローン樹を接ぎ木します。
このワイナリーは、樹齢の古さではなく、その土壌に最適な遺伝子を持つブドウを栽培し、数回にわたる脇芽かきなどで収穫量を丁寧に管理することで、目指す品質のブドウを育てています。