ワイナリー訪問 白ワイン Adega da Pinguela D.O.バルデオラス
アデガ・ダ・ピンゲラ
2016/07/31
ガリシア地方オウレンセ県にあるD.O.バルデオラスのワイナリーです。高い山々に囲まれたシル川の渓谷にあります。大陸性気候であり、急斜面にブドウ畑が作られているので水はけがよく、標高が高いので、ブドウはゆっくりと成長し、高温の夏に一気に熟し、しっかりした酸のブドウが採れます。土壌は粘板岩なのでミネラル感もあると言われています。
一軒あたりのブドウ畑がとても小さいこともあって、長い間、市場に出るようなワインは作っていませんでしたが、ここ数年、とても良質なワインが作られるようになり、他の地域と比較するとまだまだ低価格なため、注目を集めている地域のひとつです。
アデガ・ダ・ピンゲラも2013年のペニンガイド主催の優秀ワイン試飲会のときに、そのコストパフォーマンスがとても話題になりました。
オーナーのフランシスコさん。このワイナリーでは、普段はフランシスコさんご夫妻と醸造家のロベルトさんご夫妻だけが働いています。ワイナリーは、小高い丘にあり、20世紀初頭に立てられた小さいけれどしっかりした石造りの家を改造して作っています。
ステンレスタンクが5機。品種別に発酵、熟成されています。
垂直プレスは赤ワイン用、空気圧プレスは白ワイン用です。
熟成樽も10樽ほど。
メンシアは、樹齢25年から30年ほど。コールドマセレーションを4、5日経て、アルコール発酵。プレス後、マロラクティック発酵。すべてステンレスタンクで行います。その後、2ヶ月ほど樽熟成。
赤みのある深い紫色。甘いイチゴのような果物の香りが最初にきて、その後、熟したいろんな果実の香りがします。飲み口も最初は甘めかなと感じますが、酸とミネラル感のバランスが良く、たっぷりとしていながら爽やかな、メンシアの良さがよく表現されているワインだなと感じました。評判の良かった2011年ものは売り切れてしまい、2012年ものをボトル詰めできる日を待っている状態です。
ガルナチャは、樹齢80年を超える株仕立ての古木を使い、マロラクティック発酵の後、6ヶ月ほど樽熟成。
さすが古木の力か、とても凝縮感のあるワインです。色合いもメンシアとは全く違って、かなり黒い紫です。香りもボディ強さを感じさせる、深いところから来る熟した果実。ミネラル香もしました。味わいも凝縮していますが、リベラやトロとは違ってミルキィな感じはしませんでした。濃い中にしっかりした酸があることが印象深かったです。土壌と地形から来るものだろうと思います。
ゴデジョは、ステンレスタンク内で4ヶ月シュールリーしています。
艶やかな黄色。りんごのような、爽やかだけれども、よく熟れた甘い果物の香りがぱっと広がりました。パイナップルやバナナなどのトロピカルフルーツも出てきて、美味しそうだな!と期待させるとても良い香りです。味わいは、アルバリーニョやベルデホほど酸味が尖っていません。4ヶ月間のシュールリーでマイルドになっているのかもしれませんが、上質な日本酒のような、透明感のある美味しさでした。厚みも余韻もたっぷりありました。
バルデオラスの畑です。ひとつひとつがとても小さく、急斜面なので、管理はとても大変だと思います。