エル・ノガル 2006
1996年に操業を開始した、リベラ・デル・ドゥエロ地区では割と新しめのワイナリーのパゴ・デ・ロス・カペリャネス社が生産するワインです。産地呼称統制委員会の定める熟成カテゴリーは、レセルバでもクリアンサでも無く”熟成基準無し”となっていますが、実際は、レセルバ相当となります。最近は、産地呼称統制委員会の熟成カテゴリーにこだわらないワイナリーが多くなりました。
濃い紫の中に、ほんの少し、レンガ色が混じった色をしています。レンガ色は本当にほんの少しです。輝いた色では無いです。
樽熟成させたワインに多いバニラの香りではなく、ドライフルーツ、良く熟した洋梨、チョコレート、焼きたてのトースト、スミレの花...複雑な香りがしました。かなり濃厚な香りです。
とげとげしさを感じさせないのですが、割と力強い口当たりです。その中に、丸くなったタンニン、口当たりの良い酸、奥行き、複雑さを感じさせます。元々のブドウの質が良いからだと思います。
フレンチオークの新樽で、22ヶ月熟成された後、瓶詰めされているのですが、ブドウの力を全て引き出そうという試みの中作られたワインらしく、機械的、科学的な濾過を一切行わず、上澄みだけを取ってボトル詰めされています。その為、ワインには澱が残っています。
複雑な味わいをエレガントで美味しいと感じるか、辛いと感じるか、なかなか評価が難しいのではないかと思います。ペニンでは92ポイントとなっています。
少しだけビンに残しておいて、2日後に飲みましたが、ほとんど変質していませんでした。力強いワインは、時間をおいても、酸化による変質の度合いが少ないです。弱いワイン(繊細なワイン)は、半日位置いておくだけで、味わいの変化が大きくなります。良い方に変化してくれれば、有り難いのですが、多くの場合、そう上手くはいかないようです。